昨年設立25周年を迎えた米シカゴの老舗インディペンデント・レーベル、Touch and Goは、アメリカのインディペンデント・ロック・シーンを代表するレーベルとして知られる。創業は81年、“Touch and Go”というタイトルで発行していたハードコアのファンジンを母体としてレーベル業を開始した。最初の作品のリリースは83年で、ネクロスのシングルであった。その後、バットホール・サーファーズ、ビッグ・ブラック、アージ・オーヴァーキル、ジーザス・リザード、スリントと人気バンドを輩出。米インディペンデントの新興レーベルとして、注目を集める。特に80年代後半から90年代にかけての動きは、その後のニルヴァーナに代表されるアメリカのオルタナティヴ/グランジという音楽シーンの流れに大きな影響を与えた。
その反動で90年代には、インディペンデント・ロックやグランジのムーヴメントで、多くのアーティストがメジャーへ移籍。アーティスト層が薄くなった時期もあったが、シェラック(ニルヴァーナなどのエンジニアでも有名なスティーヴ・アルビニが率いるバンド)、デルタ72、ブロンド・レッドヘッド、ダーティー・スリー、ドン・キャバレロ、キャレキシコ、ミーコンズ、ピンバックなどといったバンドと契約し、トレンドと関係なく、良質の音楽を提供するレーベルとして、今も世界中のロックファンからの絶大な信頼を得ている。
昨年9月にはレーベル設立25周年を記念したライヴ・イベントがレーベルの地元であるシカゴで3日間にわたって開催、伝説のバンド、ビッグ・ブラックが再結成されるなど、大きな話題になった。シーンへの多大な貢献度を改めて実感させられるものであった。そして、今年9月にリリースされるピンバックのニュー・アルバム『オータム・オブ・ザ・セラフス』はTouch and Goのちょうど300枚目にあたるという。ロック、パンク、ジャンク系、ルーツ・ミュージック、音響系など、多彩で幅広いジャンルのアーティストをリリースしてきた、Touch and Go。今後も、アメリカの最重要インディペンデント・レーベルとして君臨していくだろう。
ビッグ・ブラック / ブロンド・レッドヘッド / バットホール・サーファーズ / !!!(チック・チック・チック) / デルタ72 / ダーティー・スリー / ジーザス・リザード / ドン・キャバレロ / ミーコンズ / キャレキシコ / クワージ / シェラック / アージ・オーヴァーキル / ピンバック