テリー・ライリー 15年ぶりの「In C」公演、7月21日(日) 京都・音羽山 清水寺にて奉納演奏!

—June.29.2024 12:18:49


©︎Masahiro Ikeda|豊島・横尾豊島館にて横尾忠則のアートとともに

「ミニマル・ミュージック」というスタイルを決定づけた、テリー・ライリーの代表作「In C」。
世界の音楽地図を塗り替えた衝撃の初演から今年で60年となりました。

Trafficが京都で運営するアート・スペース<しばし>が制作総指揮を務める、その「In C」の誕生60周年を祝うイベントをご案内します。

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ミニマル・ミュージックの創始者 テリー・ライリーの代表作「In C」
世界の音楽地図を塗り替えた衝撃の初演から今年で60年

満月の夜、約50人の演奏家と15年ぶりに奏でる祝祭が開催決定!

会場:⾳⽻⼭ 清⽔寺 本堂舞台
日程: 2024年7月21日(日)
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昔も今も、そして未来も、常に新しく、独創性に溢れる⾳楽を作り続ける音楽界の大巨匠・テリー・ライリー(Terry Riley)。ライリー自ら「自身を象徴する楽曲」と話し、また、ミニマル・ミュージックの金字塔としても輝き続ける「In C」(1964年)が、今年で誕生60年を迎えました。

本企画は、同楽曲の「60歳の誕生日をお祝いしたい」というライリー本人の強い希望のもと実現した祝祭です。当日は、約50人の演奏家とともに「In C」を奏でる予定です。

世界中で様々な形態で演奏され続けている「In C」ですが、実は、2009年にニューヨークのカーネギーホールで行われた素晴らしい演奏会をもって「この曲の演奏からの引退」を決めていたライリー。以来、世界中からのあらゆるオファーも断っていたそうです。つまり、今回は実に15年ぶりの作曲者本人参加という、世界的にも歴史的にも非常に貴重な機会となるのです。

時は、7月21日、満月の夜。舞台は、世界遺産にも登録されている京都・音羽山 清水寺。その独自の楽曲スタイルから自由と調和を象徴すると評される「In C」誕生60年を祝う奉納演奏を行います。「In C」が世界中で60年愛され続けてきたことに、そして、神仏や大自然、さらには宇宙への感謝を込めて。歴史的な祝祭となる夜に、ぜひご注目ください。

<テリー・ライリーより 開催に向けて>
「In C」の曲(一部)が私の中に降りてきたのは、1964年の或る夜。その瞬間、私はバスに乗っていました。サンフランシスコのゴールドストリートにあるサルーンでラグタイム・ピアノを弾くピアノ弾きとして生計を立てていたのです。

この曲は、まさに世界がその出現を待ち望んでいたイヴェントであったかの如く、非常に有名になり長年にわたって世界中で数えきれないほど演奏されてきました。

2024年の今日、私は、今年60周年を迎えた「In C」を上演し、お祝いをしたいと思いつきました。言うなれば「歳をとった女の子」へのお誕生会です 。

どの場所が良いだろうかと思案した結果、京都が良いだろうと思いました。街が纏うスピリチュアルな雰囲気は、「In C」という楽曲が狙う意図にも一致します。

多くの演奏家に参加いただくことで、宇宙に捧げる歴史的な祝祭になるであろうと、胸を躍らせています。

素晴らしく、そして京都にあって非常に重要な寺院・清水寺は、この祝祭にうってつけの場所でしょう。仮に雨に降られたとしても、それから守ってくれさえもします。

2009年に行った、ニューヨークのカーネギーホールでの演奏の後、私はこの「In C」を演奏することからリタイアしていました。ですが、私は喜んでこの京都での祝祭を例外とするつもりです。

このアイディアを実行に移してくれ、実現させるために助けてくれた全ての人に、特に清水寺の大西英玄氏、中村周市氏と宮本端氏に感謝を。最後に「In C」の60周年を祝うために駆け付けてくれた全ての演奏家の皆さんに感謝を。

2024年6月 テリー・ライリー

©︎discovery go

◉開催概要
タイトル:In C-60th Birthday Full Moon Celebration at Kyoto Kiyomizu-dera Temple, July 21, 2024
〜「In C」誕生60年を祝う奉納演奏 〜

会場:⾳⽻⼭ 清⽔寺 本堂舞台
住所:京都市東山区清水1-294
www.kiyomizudera.or.jp/access.php
日程:2024年7月21日(日)
開場時間:20:00
開催時間:20:30(終演:21:30頃を予定)

チケット発売日時:2024年7月6日正午12時より
チケット発売サイト:inc60-kiyomizu-dera.peatix.com 
          *発売開始日時より有効となります。
奉納チケット料:10,000円(税込/限定記念グッズ付き)
※本奉納公演は商業目的ではありません

本公演に関する問い合わせ先:
メール terry.riley.info@gmail.com
電話 070-7488-0346(電話の受付時間:13:00〜19:00)
※音羽山 清水寺へのお問い合わせはご遠慮ください。

出演:テリー・ライリー、SARA(宮本沙羅)他、梅津和時、永田砂知子、大野由美子(Buffalo Daughter)、ヨシダダイキチ、蓮沼執太、AYAら、50名程度を予定

企画・主催:テリー・ライリー
制作総指揮:しばし
協力:音羽山 清水寺
「Feel Kiyomizudera」プロジェクトチーム

◉「In C」60周年記念グッズ

「In C」誕生60周年を記念して、限定グッズ(Tシャツ、ステッカー、トートバッグ)を販売します。全て、本人が新たに書き下ろした手書き譜面をあしらった、貴重なアイテムです。

terryriley.base.shop



ダモ鈴木逝去 1950-2024 ダニエル・ミラーより追悼文

—February.13.2024 11:11:50

ダモ鈴木の逝去(2024年2月9日)をうけ、CANの一連の作品を発売しているMUTEレーベル、その創始者であるダニエル・ミラーより追悼文が届きました。心よりご冥福をお祈りします。

「ダモがどのように人生を生きたか、いまはっきりと思い起こすことができるのは、彼が自分自身に忠実で、過去ではなく未来を見つめながら、自らの活動範囲においてクリエイティヴに、思うがままそのやさしく屈託のない笑顔で行動する姿です」- ダニエル・ミラー

土曜日に、その前日ダモが亡くなったというニュースが入ってきたとき、彼の死に対する圧倒的な悲しみとともに、彼が美しく、心優しくクリエイティヴな魂で思うがままに自らの人生を全うしたことに、ある種前向きな気持ちを抱きました。

多くの人々と同様に、私たちは1971年から1973年までのCANとの仕事を通じてダモを知ることになったのですが、それに続く彼の人生の在り方もまた非常に感動的なものでした。彼はまたCAN以前の生活に戻り、さまざまな場所を訪れる音楽の”魔法使い”として、世界を旅し、音楽を共有したいと思うすべての人と演奏してまわったのです。

MUTEでは1980年代の後半以降、CANの音楽をリリースする幸運に恵まれており、CANの音楽とともに未だミステリアスな彼らの存在を出来得る限り今に蘇らせる役割の一翼を担っています。というのも、CANとダモは常に未来の存在であり、過去はおろか現在に縛ることさえほぼ不可能だからです。

私たちの想いはダモの家族と共にあり、彼の魂に感銘を受け、今後も感銘を受けるであろうすべての人々に私たちの愛が広く届きますように。

*英語原文はこちら



CAN、大好評の『CAN:ライヴ・シリーズ』 ヴォーカルにダモ鈴木をフィーチャーした第四弾を2/23に発売! ダイジェスト音源も公開!

—January.9.2024 12:00:19

「『ライヴ・イン・パリ1973』について、私がお伝えできることはほとんどない。そして、ここが問題の核心なのだが、そんなことはどうでもいい。実にどうでもいいことなのだ。」― ウィンダム・ウォレス(ジャーナリスト)

CANの伝説のライヴを、最先端技術を駆使してお届けする大好評の『CAN:ライヴ・シリーズ』、その第四弾となる『ライヴ・イン・パリ 1973』(LIVE IN PARIS 1973)が2024年2月23日に発売される。特筆すべきは、本ライブシリーズの中で初めてダモ鈴木がヴォーカルとしてフィーチャーされた作品が遂にリリースされる、という事実である。
また、1973年にフランス、パリのオランピア劇場で行われたライヴの模様を収録したライヴ盤よりダイジェスト音源が公開された。




本作のブックレットには、ジャーナリストのウィンダム・ウォレスが執筆したライナーノーツが掲載されている。今回の作品についてウォレスは次のように述べている。「『ライヴ・イン・パリ1973』について、私がお伝えできることはほとんどない。そして、ここが問題の核心なのだが、そんなことはどうでもいい。実にどうでもいいことなのだ。日の光を浴びてよくなる夢など、ほぼないと言っていい。これも例外ではない。誰が細かいことを知りたいだろう? トリビアやささいなことが必要だろうか? 彼らがどうやってこれを成し遂げたのかは知らないが、これこそが、私がようやくCANを聴けるようになるまでに、いつも想像していたCANの音そのものだったのだ。」

CAN は1968年にケルンのアンダーグラウンド・シーンに初めて登場し、初期の素材はほとんど残されていないかわりに、ファン・ベースが拡大した1972年以降は、ヨーロッパ(特にドイツ、フランス、UK)で精力的にツアーを行い、伝説が広がるにつれ、多くのブートレッガーが集まってきたのだ。『CAN:ライヴ・シリーズ』は、それらの音源の中から最高のものを厳選し、イルミン・シュミットとルネ・ティナ―による監修で、21世紀の技術を駆使して、重要な歴史的記録を最高の品質でお届けするプロジェクトである。

本作品は1973年5月12日、パリのオランピア劇場で行われたCANの変幻自在なパフォーマンスを収録したものであるが、ここで特筆すべきは、CANライブシリーズの中で初めてダモ鈴木がヴォーカルとしてフィーチャーされた作品ということである。1970年から1973年まで、CANはイルミン・シュミット、ヤキ・リーベツァイト、ミヒャエル・カロリ、ホルガー・シューカイの中心メンバーに、日本の即興演奏家でヴォーカリストのダモ鈴木が加わって活動。1970年、彼らは鈴木がミュンヘンの路上で演奏している最中に偶然出会い、その後すぐにCANに加入することになるのだが、1973年のこのパフォーマンスの数ヶ月後、彼の放浪心は再び彼を旅に導くことになった。

ライヴシリーズ最新となる今作では、CANのバンド・キャリアの中でも特に重要な段階を目撃することができる。彼らの最も称賛されたアルバムである『タゴ・マゴ』と『エーゲ・バミヤージ』は、後者がパリのパフォーマンスに影響を与えたものである。録音自体は、スプーン・レコードの保管庫内から見つかり、協力的なファンから送られた録音を組み合わせて編集され、このシリーズのすべてのアルバムをまとめ上げた、創設メンバーのイルミン・シュミットとプロデューサー/エンジニアのルネ・ティナーによって21世紀になって日の目を見ることになる。

1960年代末に結成され、それからおおよそ10年後に解散したCANは、催眠的なグルーヴと前衛的な楽器のテクスチャの大胆な融合により、彼らを史上最も重要で革新的なバンドの一つにした。そして今回のライヴシリーズ作品は、このバンドのまったく異なる視点を明らかにする。シリーズ一連のジャム・セッションでは、おそらくおなじみのテーマやリフ、モチーフが浮かび上がり、そこらじゅうに漣(さざなみ)のように広がるが、それらは時折渦巻く人混みの中で一瞬だけ認識される顔のようだ。別の場面では、オフィシャルにリリースされたアルバムには収められなかった音楽が聞こえてくる。これらのライヴ録音では、CANはスタジオの作業よりもさらに極端な領域、穏やかなアンビエントドリフトロックから、かつて「ゴジラ」とあだ名された白色矮星の音響メルトダウンまでに挑戦している。そして、メンバー同士が共有する非凡な音楽的テレパシーが聞こえてくるのである。

このライヴ・シリーズは、英誌Uncutのリイシュー・オブ・ザ・イヤーで1位、MOJOで2位を獲得したライヴ盤『ライヴ・イン・シュトゥットガルト 1975』(LIVE IN STUTTGART 1975)と、『ライヴ・イン・ブライトン 1975』(LIVE IN BRIGHTON 1975)、そして『ライヴ・イン・クックスハーフェン1976』(LIVE IN CUXHAVEN 1976)の3作が発売されている。

■オリジナル・アルバム概要はこちら。

商品概要
アーティスト:CAN (CAN)
タイトル:ライヴ・イン・パリ 1973 (Live in Paris 1973)
発売日:2024年2月23日(金)
CD
品番:TRCP-308-9 / JAN:4571260594104
定価:2,700円(税抜)/ 解説: イアン・F・マーティン
紙ジャケット仕様
海外ライナーノーツ: ウィンダム・ウォレスの日本語訳付

Tracklist
CD1
1 Paris 73 Eins
2 Paris 73 Zwei
CD2
1 Paris 73 Drei
2 Paris 73 Vier
3 Paris 73 Fünf

プロフィール
CANはドイツのケルンで結成、1969年にデビュー・アルバムを発売。
20世紀のコンテンポラリーな音楽現象を全部一緒にしたらどうなるのか。現代音楽家の巨匠シュトックハウゼンの元で学んだイルミン・シュミットとホルガー・シューカイ、そしてジャズ・ドラマーのヤキ・リーベツァイト、ロック・ギタリストのミヒャエル・カローリの4人が中心となって創り出された革新的な作品の数々は、その後に起こったパンク、オルタナティヴ、エレクトロニックといったほぼ全ての音楽ムーヴメントに今なお大きな影響を与え続けている。ダモ鈴木は、ヴォーカリストとしてバンドの黄金期に大いに貢献した。2020年に全カタログの再発を行い大きな反響を呼んだ。2021年5月、ライヴ盤シリーズ第一弾『ライヴ・イン・シュトゥットガルト 1975』を発売。同年12月、シリーズ第二弾『ライヴ・イン・ブライトン 1975』を発売。2022年10月、シリーズ第三弾『ライヴ・イン・クックスハーフェン 1976』を発売。そして、今回その第4弾となる『ライヴ・イン・パリ 1973』をリリースする。

www.mute.com
http://www.spoonrecords.com/
http://www.irminschmidt.com/
http://www.gormenghastopera.com